まず、ルールを破れ/マーカス・バッキンガム&カート・ホフマン

 

まず、ルールを破れ―すぐれたマネジャーはここが違う

まず、ルールを破れ―すぐれたマネジャーはここが違う

 

 

 先日紹介した『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす』に先駆けて書かれた本で、優れたマネージャーの資質について書かれたモノです。

 バッキンガムさんは『さあ、才能に目覚めよう』でも強調されていた通り、欠点を補うのではなく長所を伸ばすカタチで部下を育成しようと言うスタンスが明確で、この本でもマネージャーとして如何に部下を「活かす」のか、ということがマネジメントの要諦だとおっしゃいます。

 この本で紹介されているマネジメントの「カギ」は、

  1. 才能に恵まれた人材を選び出す
  2. 目標とする成果をはっきりと示す
  3. 部下の強みを徹底的に活かす
  4. 部下の強みが生きる場所を探り当てる

ということで「部下の強み」を如何に最大限活用するかということにココロを砕くことのようです。

 これまで目覚ましい活躍をしていた人でも、環境が変わると全く鳴かず飛ばずになってしまったり、逆に全くダメだった人が、あるミッションが与えられたのをキッカケに飛躍していくこともあります。

 だからこそ、できるだけ多くの部下に、その人が活躍できるような場所を見極めて割り当てることが、マネージャーとして最大の任務ということも頷けます。

 それで『さあ、才能に目覚めよう』のストレングス・ファインダーにつながっていくワケですね。

 

アインシュタイン・ファクター/ウィン・ウェンガー、リチャード・ポー

 

アインシュタイン・ファクター(文庫)

アインシュタイン・ファクター(文庫)

 

 

 まだ『年収を上げる読書術』の推薦図書が続きます。

 この本は、ひと頃神田昌典さんが脳力開発の関連で奨められていたのを思い出しました。

 趣旨としては、脳のチカラを十全に発揮することができれば、すべての人はアインシュタインを超えるほどの天才性を発揮できる可能性がある、ということです。

 そのための手段が「イメージ・ストリーミング」という方法で、あらゆることを「イメージ」できるようにトレーニングをするということで、自分の潜在能力を十全に発揮できるということです。

 世に言われる「天才と○○は紙一重」と言うのは、イマジネーションの発揮の度合いを言うようで、イメージの世界に行き過ぎてしまって、世の中との折り合いができなくなってしまうと、アッチ側の世界に行ってしまうのですが、イメージを発揮した上で、現実の世界との折り合いがつけられた人が、世にいう「天才」なんだそうです。

 ということで、自分の中に眠る「天才」を呼び起こすためのイメージングの手法が詳しく語られます。

 でも、くれぐれもアッチに行ってしまわないよう、気を付けてくださいね!

 

GIANT KILLING チームを変えるリーダーの掟/梅崎修

 

GIANT KILLING チームを変えるリーダーの掟

GIANT KILLING チームを変えるリーダーの掟

 

 

 『GIANT KILLING(1) (モーニング KC)』という架空のプロサッカーチームを舞台にしたマンガがありまして、非常にリアルかつ微細な設定にうならされることが多くて、ワタクシも熱心に読んでいるんですが、このマンガをネタにした本も出版されています。

 この本はそのうちの1冊なんですが、人材マネジメントを専門とされている法政大学のセンセイが、『GIANT KILLING』の主役とも言える、監督の達海猛のマンガの中の発言などを取り上げて、理想的なリーダーとしての在り方を語ります。

 読む前は、こんな本にありがちな、思い入れが先行しすぎて、自分の専門分野にムリヤリコジつける感じかな、と思ったのですが、割と達海監督のマネジメントって、そう言われてみれば、理に適っているなぁと思い起こされます。

 特に負け癖がついたチームの意識改革については、かなり「深い」ところから手を下していたんだなぁ、とワタクシ自身の原作の読み取りの「浅さ」を反省させられました。

 

ビジョナリー・カンパニー2/ジェームズ・C・コリンズ

 

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

 

 

 昨日『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』の紹介文で、フツーの会社はフツーのままでいるしかないのか?ということで〆たのですが、その答えがこの本にあります。

 ちょっと『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』で紹介した、「確固たる企業理念」に基づいた行動をとることと矛盾しているようには見えますが、進む方向を決めてから、それにふさわしい人を選ぶのではなく、逆に人を選んでから、そこで選ばれた人が進むべき道を選ぶ方が「変革」に成功しているということです。

 それって、でも「確固たる企業理念」の範疇にあるから、そういうことができるっていうことなのでしょうか?

 正直、両方読んでみると、コッチより『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』の方が、個人的には論旨が一貫していてわかりやすいんですけど…

 

ビジョナリー・カンパニー/ジェームズ・C・コリンズ、ジェリー・I・ポラス

 

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

 

 

 本来ならコッチを先に紹介すべきだったのかも知れませんが、『ビジョナリー・ピープル』を紹介しましたので、せっかくなのでコッチも紹介しときます。

 ちなみに『年収を上げる読書術』では『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』の方が推薦図書として挙げられていて、世評もソッチの方が高いようなのですが、ちょっと意地になってコッチから紹介したいと思います。(笑)

 ということでこの本の趣旨は、長期にわたって高い成果を挙げている企業に共通する特徴を探るということなのですが、意外なことに目覚ましいアイデアを元に立ち上げた企業とか、カリスマ的なリーダーが先頭に立っている企業が該当することはあまりないようです。

 それよりも企業全体に浸透している確固たる理念があって、社員が一丸となってそれに邁進していくことで、他の企業にはマネのできない優位性を築くことができ、それこそが「ビジョナリー・カンパニー」となる源泉だということです。

 それって途中で軌道修正って、かなり難しそうですよね…フツーの企業はフツーのままいるしかないのでしょうか…

 

影響力の武器/ロバート・B・チャルディーニ

 

影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか

 

 

 これも『年収を上げる読書術』の推薦図書です。

 最近、やたらとページ数の多い翻訳モノばかりで、結構疲れます。

 この本も450ページ以上の大著なのですが、人間が「こういうときには、こういう行動をする」強い傾向がある、ということを集めたモノです。

 そういう傾向をマーケティング等に応用するということで、この本もそういう動きの「古典」とも言えるモノで、例えば人は何をかをしてもらったら、それに対する「お返し」をしたくなるという、返報性に関する傾向は聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。

 後は、権威にひれ伏しやすいとか、好意を持った人への反応など、顕著な反応を紹介されているのですが、驚くのがこの本で紹介されている多くの「法則」が、先日紹介した「詐欺」の手口として紹介されていたモノの多くと被っているということです。

 きっと詐欺の業界と言うのは、こういったことへの「応用」の先進的な事例なんでしょうね…ということで、この本を熟読して、そういう被害を受けるのを未然に防止しましょう!

 

ビジョナリー・ピープル/ジェリー・ポラス、スチュワート・エメリー、マーク・トンプソン

 

ビジョナリー・ピープル

ビジョナリー・ピープル

 

 

 『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』という成功している企業に共通している特徴を紹介する本が有名ですが、同じ著者が書かれた、成功し続ける人に共通する特徴を、200名以上もの著名人のインタビューを通してあぶりだした本です。

 その中で、長く成功し続けるための秘訣は、

  ・意義
  ・思考パターン
  ・行動パターン

という3つの要素で構成されるということで、その3つを大きな章立てとして紹介されています。

 よく言われることですが、やっぱりこの本を読んでて一番に印象に残ったというか、ちょっとしたショックを覚えるほど衝撃的だったのが、自分の仕事に「愛情」を持たなければ二流で終わるということで、例えば同じような能力を持っている人が同じような仕事をしたときに、「愛情」を持たない人が「愛情」を持って仕事をしている人に勝てる訳がない、とまでおっしゃっています。

 って言ってもなぁ…と思う人は、ワタクシを復縁手多いと思うのですが、どうしても「愛情」を持てなければ、それを「変える」努力をする、それでもダメなら「見方」を変えるようにする、ということです。

 ということで、「一流」になるために仕事を「愛せる」ようになりたいものです…