できる男は空気が読める/高田静夫

 タイトルだけ見ると、ちょっとブラックな自己啓発本みたいですが、
実はサッカー本だったりします。
 著者は、メキシコ、イタリアW杯でも審判をされた方です。

 審判というと、ちょっと上から目線のようなイメージがあると思い
ますが、サッカーでの審判は、選手と一緒に試合を作っていくような
感覚があるようです。
 だからというわけではないのですが、命令口調や断定型のモノ言い
というのは、ゲームを壊してしまいかねないようです。
 だから、イエローカードを出すときも、それまでに予告みたいな
ことを何度かしておいて、それでも同じような反則を繰り返した時
に出しているみたいです。
 でも、だからと言って選手に迎合していては、成り立たないので、
毅然とすべきところは毅然とする、といった感じで、非常に難しい
切り替えを迫られるようです。

 著者は、結局プロにはならないまま引退されたのですが、出処進
退はプロそのもので、非常に清々しい読後感を楽しませていただき
ました。