新個人主義のすすめ/林望

新個人主義のすすめ (集英社新書 (0427))

新個人主義のすすめ (集英社新書 (0427))

 リンボウ先生としておなじみの林先生の本です。
 個人的には、「リンボウ先生」としての諸作は呼んでいないのですが、
イギリスはおいしい 【講談社英語文庫】」を英語版にも関わらず、
一気に読んでしまって、面白いことを書く人だなあ、という印象はあり
ました。(その後、他の本を手に取るところにはつながらなかったので
すが…)

 その林先生の、英国流の個人主義をベースにした「新個人主義」のす
すめということです。

 まず、日本では個人主義は利己主義と誤解されがちだと述べられてい
て(そこ、個人的にも非常に納得!)、それゆえ日本では個人主義
あまりいいイメージがないんだと思うのですが、林先生のおっしゃる
個人主義は、むしろ利他主義なのだということです。
 というのも、自分の独立を大事にすると同時に、他人の独立も尊重
しなくてはいけないことになるから、ということだそうです。

 さらに、個人主義孤立主義とも混同されやすいされていますが、
それも違うのだとおっしゃられています。
 あくまで尊厳を保った上で、コミュニケーションを図るのだという
ことで、そのことで余計なしがらみから無縁になれるのだ、というこ
とです。

 個人的には、結構好きな考え方なんですけど、これを家族や会社
といったコミュニティで貫くのも、結構ツラい部分もあるかな、と
いう気がしました。