フリー/クリス・アンダーソン

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

 ようやく手に取れました!
 「ロングテール(アップデート版)―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (ハヤカワ新書juice)」の
時同様、やたらと例示とか、本論に行くまでの前フリとかが長くて、途中で
読むのをやめようかとも思うのですが、本論に戻ったときがエキサイティング
で、ワタクシにとっては異例の長さで読みきりました!

 以前、「価格を無料にしても儲けが出るしくみの作り方/鈴木進介 - turbo0828の(できるだけ)毎日フォトリーディング
を紹介したときに、そこからの戦略展開みたいなエッセンスは理解できていた
のですが、イマイチ、仕掛けというか原理的なものが理解できていませんでした。
 それが、この本では、(回りくど過ぎたりはしますが)丁寧に経緯や理論的な
背景も説明されていて、ようやく腑に落ちた次第です。

 著者の言葉を借りて簡単に言えば、物質的なモノのやり取りが絡むアトム経済と
ノウハウ等のモノのやり取りが絡まないビット経済に分けて考えると、アトム経済
だと、追加で1つ余計に提供するための費用(限界費用)がいくらかかかるので、
無料で継続的に提供することは、おいそれとはできないが、ノウハウとかだと、
限界費用がかからないんで、無料にするためのリスクが無いばかりか、ミクロ経済
のイロハで、競争市場上では、「価格=限界費用」に収斂するということを思い
起こせば、ごくごく自然なことなのだなあ、と納得しました。

 ネットって、限られた範囲ながら、史上初めて「完全競争市場」を実現させたの
かな、とこの本を読んで、ちょっと勝手に感動していたりしました。
いて