レストランがなくなる日/犬養裕美子

レストランがなくなる日―レストラン受難時代に生き残る店はどこだ! (主婦の友新書)

レストランがなくなる日―レストラン受難時代に生き残る店はどこだ! (主婦の友新書)

 「レストラン」ということについて、勝手に外食一般と勘違いして
この本を手に取っていたのですが、この「レストラン」というのが、
本来の意味の「レストラン」に近いようで、ちょっとはずしてしまい
ました。

 本来の意味のフレンチの「レストラン」は日本では、非常にお高く
とまっていて、金銭的な意味でも、他の意味でも非常に敷居が高い
ものだと認識されていますが、そういう業態が成り立たなくなってき
ているようです。

 それは、景気減退に伴い、「レストラン」がターゲットとしていた
顧客層が劇的に縮小していることと、ターゲットとしていた層からの
もう少し気楽に食事を楽しみたいというニーズに対応できてきないと
いう2つの側面があるようです。

 あんまり縁が無い世界で、ちょっとスノビズムに侵されてるなあ…
ということで、鼻につきながら読んでいたのですが、結構外食産業
全般に関る指摘も散見されて、なかなか興味深かったです。

 というのも、これまで「レストラン」に限らず、店の都合を前面に
押し出して、それに客を従わせるというスタンスの店が多かったので
すが、徐々にそういう店が淘汰されつつある、ということです。

 そういうムーブメントの象徴的な転換点が、吉兆の偽装事件に端を
発した、廃業に至る流れだということを指摘されているのを見て、非
常に納得できました。

 あ、ちなみに新たな流れに乗って成功している「レストラン」も
紹介されていますので、ちょっとした「通」のためのグルメガイドと
しても使えます。