闘争人/二宮寿朗

闘争人―松田直樹物語 (SAN-EI MOOK)

闘争人―松田直樹物語 (SAN-EI MOOK)

 昨年亡くなった、元日本代表DF松田直樹選手の半生記です。
 亡くなる前と言うか、マリノスを去る前に書かれた本ですが、葛藤に満ちた選手生活が
描かれています。
 あとがきの最後の、「この物語の続きに、きっとハッピーエンドが待っている。」という
記述が、あの後の苦難、そして突然の死の後には、虚しく悲しく響きます。

 確かに、才能や体格に恵まれて、なんともったいないと言う人は少なくないと思います。
 特に、あの年代には、松田選手を始めとして、中田英寿選手、財前宣之選手など、その
才能と比べて、不遇のうちに選手生活にピリオドを打つ選手が多かったように思えますが、
いろんな意味で「仕方がない」ことなんでしょうね。

 特に、松田選手はメンタルコントロールについての問題点を指摘されることが多く、
そのあたりについてもこの本の中で触れられていますが、端から見るのと違って、その方が
よっぽどコントロールが難しい部分があるのかも知れません。

 せめて、松本山雅がJ2入りを決めるところまで、生きていてくれれば、と思ったのは…
まあ、言っても仕方のないことなのですが。