新宿駅最後の小さなお店ベルク/井野朋也

新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには? (P-Vine BOOks)

新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには? (P-Vine BOOks)

 先日、神田さんの講演会の興奮も冷めやらないまま新宿東口のベルク
に立ち寄ったのですが、ポークアスピックを口にした瞬間、感激のあまり
食べかけを写真に収めて、facebookにアップしてしまいました。

 そんな感動をくれたベルクの本を見かけたので、ソッコー手に取って
見ました。

 今や、都心では珍しい個人経営の店ということで、生き残りのための
徹底的なこだわりが紹介されています。

 まず、大きな方針として、ベルクのような個人経営の店が都心で生き
残って行くためには、「早い、安い、うまい」を高いレベルで満たさな
くてはいけない、と考えられているとのことです。

 その中で、メインの商品である、コーヒー、パン、ソーセージ、ビール
に対する、ここまでやるか、というこだわりが描かれています。
 その情熱が、出会いを生み、人と人とのケミストリーによりあの素晴ら
しい商品が生まれているんですね。

 また、従業員との関係性でも、高い水準の接客を要求しながらも、従業員
を個として尊重し、やりがいがあるように工夫されている点も見逃せません。

 今、ベルクさんはテナントの不当な立ち退き要求に苦慮されているよう
ですが、こういう素晴らしい店がちゃんと生き残っていけるか、というのが
我々の「民度」が試されているような気がしてなりません。