「２つの名刺」を持ちましょう／後藤光正

「2つの名刺」を持ちましょう (Nanaブックス)

　著者は、会社勤めをしながら、「名刺セラピー」セミナーなどを通じて、社会人の「自分気づき」
のサポートをされていう方です。

　「やりたいことよりもやるべきことを多くやる人生」
　「やるべきことよりもやりたいことを多くやる人生」

　大体の社会人は、前者の方が多いと思いますが、それは自分がやりたいこを明確にしていないから
だとおっしゃられています。

　それを、「自分名刺」を作ることを通じて、後者の人生に移行していくことを提唱されています。

　通常の会社の名刺は、ただ単に連絡先が書かれている、「名紙」に過ぎず、個人を印象づけるもの
になっていない、それは、個人のプロフィールが全く反映されていないからだとおっしゃられます。

　そこで、「自分」というものをふんだんに、「名刺」上で表現して、「自分」を名刺を渡す相手に
明確に意識してもらうことで、会社勤めをしながらも、自分の個を相手に印象づけ、ひいてはやりたい
ことを多くする人生になるとおっしゃられています。

　そのために重要なのが、自分が持っているスキルや興味を明確にする必要があるということです。

　また、その名刺を渡す相手を明確にした上で、自分があピースすべきポイントを明確にし、それを
ちゃんと名刺上に反映させようということで、パーソナルブランディングの要素も、ちゃんと盛り込
んでおられます。

　マーケティングやモチベーション理論といった、ロジカルなところから、自分を売り込むアツさと
いったエモーショナルな部分を兼ね備えた、好著だと思いました。