NAKATAビジネス (FOOTBALL Nippon Books)
- 作者: 次原悦子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: 単行本
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中田英寿氏が現役の選手だった頃、マネジメント契約をしていた事務所の社長が、契約終了後に
早稲田大学大学院の学位論文として上梓したものをベースにした本です。
今となっては「当たり前」となった、スポーツ選手の「露出」の方法論についてなのですが、
次原氏と中田ヒデが試行錯誤しながら展開してきた「露出」の手法が、如何に革命的だったのか、
と言うことを、「中田以前」との比較によって浮き上がらせています。
例えば、Webサイトの活用法だとか、CMにおける露出だとか、これまで、既存のマスコミの思惑
の被害が、ある意味必要悪だとして扱われていたものを、そうした弊害を避けながらも、自身の
価値を最大化するようなメディアを自ら手にしたところに、その革命性があるんだと思います。
また、個々のメディア戦略が、全体としてのイメージ戦略と見事なまでに統一感がとれている
ところ、これは、まさに元々PR会社として発足した、サニーサイドアップならではの強みを
存分に生かして、かつ「中田英寿」というカウンターと出会えた故の稀有な例だといえると思い
ます。
その後の、中田以降のそういった戦略を見ていると、中田−次原チームが開発した手法の外形
的な部分だけをなぞっているだけで、ちゃんと選手のイメージ戦略を中心とした、統合的な戦略
を取れていない気がします。
そうなるともったいないので、是非、そのあたりをさらに進化させるようなチームが出てくれば
いいな、と思いますね。