音楽ライターが、書けなかった話/神舘和典

音楽ライターが、書けなかった話 (新潮新書)

音楽ライターが、書けなかった話 (新潮新書)

 ぱっと見、暴露本みたいなタイトルですが、まあ言ってみればあんまりニュース性は無いので、
雑誌とかの記事にはなりにくいので、記事として書いてこなかったけど、何かの折に、紹介した
い微笑ましい話を集めたって感じの本です。

 特に、「アーティストのまた、アーティストのファンなのです」のセクションが良かった!

 いつまでも、マイルス・デイビスとの共演の話を自慢する元サイドマン、あこがれのエルビン・
ジョーンズとの共演にカチコチになりながらサックスを吹いたマイケル・ブレッカー、時間を
延長してまでU2への想いを語り続けた鈴木保奈美

 私自身も、幸運なことに憧れのアーティストを目の前にして、一言も口が聞けなかった、と
いう経験を持つのですが、それを思い出してニヤニヤしながら読んでいました。

 音楽の持つ力の素晴らしさの一端を垣間見せてくれる好著ですので、音楽好きな方は是非、
手にとってみてください。