- 作者: 勝間和代
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/10/18
- メディア: 新書
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勝間さんのある時期までの本って、破綻が無くて、論理的に美しい本が多くて、フォトリを
するための本やなあ、さすが日本のフォトリーダーの草分け!とかって度々思ったのですが、
最近の諸作では、非常に人間くささが全面に出てきています。
きっと彼女のことですから意図的なんだと思いますが、それだけに伝えなければならないこ
とへの意志を強く感じさせられます。
で、今回のテーマは、「まじめ」の弊害です。
冒頭で、震災時の杓子定規な対応で、結果として多くの小学生の命を失う結果になったこと
を紹介されています。
これまで、日本では「まじめ」であることが美徳とされることが多かったと思います。
あくまでも、ドメスティックな価値基準の中で、どこかなにかに頼っていた中での「美徳」
なんだ、といいます。
そうすることが、もはや「美徳」でないどころか、害悪ですらあり、それにすがり続ける
ことが致命的であることを指摘されています。
冒頭の、震災時の対応などはその最たるものなんでしょうけど、とにかく自律的にモノを
考える習慣のない日本人が多すぎて、もはや国際競争力なんてことを言っていられないほど
ヒドい状況だと指摘されています。
だからと言って、教育のあり方が急激に、思考力を養成する方向に向かっている訳では
なさそうですし、勝間さん的には、処方箋を示してはおられますが、絶望的な気分になら
ざるを得ない、勝間さんにしては珍しい本でした。