メダリストの言葉はなぜ心に響くのか? (フォレスト2545新書)
- 作者: 青島健太
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2012/06/08
- メディア: 新書
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元プロ野球選手というよりも、NHKなんかでスポーツキャスターをされていること
で有名な青島さんの著書です。
青島さんによると、タイトルの問いかけに対して、「重圧 × 結果 = コメントの
パワー」と言う回答をあとがきで書かれています。
で、その「重圧」というのがどういうところから来るのか、というと、周囲の期待で
あったり、自分が破ってきた数々のライバルであったり、競技を続けて来る上でお世話に
なった人の恩義であったり、そういったものに「結果」で応えたい、という想いから来る
のだ、と言われています。
それに対して、良い結果であれ、悪い結果であれ、自分の中で持てる力を振り絞った
結果としての成績であれば、その「重圧」からの解放エネルギーという形で、魅力的な
コメントとしてでてくるんだろう、といった感じのことを、まとめとして書かれています。
この本の中で、扱われていたエピソードの中では、言葉自体はそんなに印象的ではない
のですが、北京オリンピックのソフトボールで、3連投で413球を投げ通した、上野
由岐子投手の、「このまま試合が永遠に続けばいいな」というもので、あの極限状態の
なかで、彼女に浮かんだ感情が、純粋に競技の楽しみだということに、驚くとともに、
いわゆる「ゾーン」に入った典型的な心情が表現されていて、感心しました。
この本は、ロンドンオリンピックの直前に、本としてまとめて出されたのですが、
始める前に読んどけばよかったなあ、って感じですね。