話すチカラをつくる本/山田ズーニー

話すチカラをつくる本 (知的生きかた文庫)

話すチカラをつくる本 (知的生きかた文庫)

 以前、「おとなの進路教室。」っていう本が印象的で、また読んでみたいなあ
と思いつつ、なんとなく、再度著書を手に取る機会がなかったのですが、ホンの
暇つぶしに、と思って衝動買いした本が大当たりでした。

 まず、冒頭に、「宇宙人発見」と言うニュースがあって、どこで言われていた
ら、あなたは信用しますか?と言うことで、「東スポ」とか「NHKのニュース」
とか「新聞」とかって並べてあったのを見て、ちょっとドキッとしました。
 同じ話をしても、相手に聞いてもらえる人と、そうでない人がいるということ
を端的に示されていて、ちょっと衝撃でした。

 そのほか、伝わるための7つの要件ということで、内容の中に、意見があるか、
その意見の論拠があるか…という要素ごとに、「話の伝え方」について、シンプル
なんですが、ポイントを突いた説明をされています。

 印象的だったのが、「なぜ正論は人を傷つけるのか?」と言うことで、どう
しても、正論を語るとき、人は「上から目線」になってしまいがちだということ
なのです。
 それを、尊敬する上司から言われると素直に聞けても、普段の生活態度のなって
いない後輩から言われても、聞く耳をもてないどころか、そのまま説教に突入して
しまいませんか?

 ということで、相手にモノを聞いてもらうためには、相手との関係性も含めて
どう話を組み立てればよいか、と言うことを考え直す非常によい教材だと思い
ました。