ミッション/今北純一

ミッション―いま、企業を救うカギはこれだ

ミッション―いま、企業を救うカギはこれだ

 最近お気に入りの今北さんの著書を、また手にとって見ました。

 今北さんは、多くの日本の企業は「ミッション」がない、とおっしゃいます。

 おそらく、多くの経営者はその言葉を聞いて、「そんなことはない」と反論する
かも知れませんが、ワタクシは、なるほど、と思いました。

 今北さんのおっしゃる「ミッション」と言うのは、「自らが挑戦すべき目標」と
いうことで、それに到達するための「具体的な展望」である「ビジョン」とセット
となって、企業の経営指針となるはずなので、それが「ない」と言うのは、行き当
たりばったりで、多くの企業は、そんなはずはない、のですが…

 でも、読みながら納得させられたのは、多くの日本企業は、この「ミッション」
なり「ビジョン」を自分の頭で考えたのではなく、同業他社といった周りの行動
から見た、横並びの発想でひねり出している、と今北さんはおっしゃいます。

 それと、今北さんがおっしゃる、企業にとって、いやすべての人にとって、
「ミッション」と「ビジョン」と並んで、もう一つ重要な要素である「パッション」
があるのですが、自らが納得して設定した、「自らが挑戦すべき目標」たる
「ミッション」じゃなくて、周りを見てみたらこうしていたから、ウチもこうしよう
っていうレベルの「ミッション」じゃ、それに向かう原動力たる「パッション」は
起きないでしょう。

 だから、誰も「ミッション」に対する明確なコミットメントを持たないでしょうし、
ついつい、ナアナアになってしまい、組織が腐っていく、ということのようです。

 日本人は、「自分の頭で考える」と言う、ごくごく基本的なことを取り戻さない
と、本当にどうなってしまうんだろう、と恐ろしくなりました。