日本女子サッカーが世界と互角に戦える本当の理由/松原渓

日本女子サッカーが世界と互角に戦える本当の理由

日本女子サッカーが世界と互角に戦える本当の理由

 元々ご本人もサッカーをプレーされていて、日テレベレーザの下部組織である
メニーナのセレクションを受けるほどのスキルの持ち主で、現在、女子サッカー
を中心にレポートや執筆の活動をされている方の本です。

 大仰なタイトルですが、深く分析をして、と言うことではなくて、選手を始め
として、女子サッカーに関わる人たちのインタビューを通して、その理由をあぶ
りだしていこう、と言うものです。
 その中でも、育成に関わる人が多く取り上げられていて、その部分が非常に
興味深かったです。

 インタビューの中で、女子サッカーが単なるブームを越えた、とする意見が
あって、特に、選手にあこがれて固定ファンになったりとか、自分でもプレー
をしている小中学生の女の子が増えていることがその証だといいます。

 ただ、これまで女子サッカーが強くなった一つの理由として、現在、なでしこ
として活躍されている選手の多くが、小中学生の時に男子に混じってプレーして
いたことを挙げられているのですが、今後、環境が整っていくにしたがって、
そのメリットがどのように推移していくのか、が懸念されます。

 とはいいながら、さまざまな取組がされていて、それなりの成果を収めて
いるところもあって、しっかりとした「文化」となっていけばいいなあ、と
思わせる、そういう本でした。