選び抜く力/伊藤真

選び抜く力 (角川oneテーマ21)

選び抜く力 (角川oneテーマ21)

 司法試験対策の伊藤塾を主宰される方の著書です。

 司法試験に向けた対策を中心として、「選ぶ」ことについて書かれているのですが、
ご自身が司法試験に取り組んだとき、弁護士を辞めて司法試験に向けた教育に携わる
ことを決めた時の経験を通した「選び方」を書かれた部分には、非常に迫力があります。
 
 後半、一般的なところに当てはめる話でちょっとグダグダしてしまいますが、前半
だけでも、非常に価値の高い本だと思います。

 特別なことを書かれているわけではない気はするのですが、我々が「選ぶ」時に
考慮に入れることについて興味深い指摘をされています。

 我々、選択をする際に、ある程度、その選択の合理性というものを求める部分がある
と思うのですが、伊藤さんは、その「合理性」に「主観的」なものと、「客観的」な
ものの2種類があるとおっしゃいます。

 イメージとしては、「客観的」な合理性を求めたほうが、普遍的なものになると思う
んですが、「客観的な合理性」は、その時の流行だったり、大勢の判断だったりという
ものに、どうしても影響を受けてしまう部分もありますし、それが自分にとってふさわ
しいものかどうか、と言うのは甚だ疑わしくなってしまうようで、自分にとっての合理
性というものを考え抜いた上で選択を行うべきだ、とおっしゃいます。

 そうするのは、決してラクではないようですが、そうすることが自分にとっての成果
を得るのには、「合理的」なようで、その辺を突き詰めることが重要なようですね。