上昇思考/長友佑都

 日本代表サイドバック長友選手の著書です。

 全著『日本男児』がインテルに移籍したところで終わっていたので、今回はその
続きということなのですが、メンタル面にフォーカスした内容になっています。

 インテルに移籍した当初自信の欠如で、思ったようにプレーできなかった時期が
あった際に、プレーに及ぼすメンタルの部分の重要性を痛感したということです。

 そんな中で、インテルの選手たちのメンタル面での安定に賞賛の言葉を送って
いますが、負けが混んでいるときなどに厳しい批判を浴びても、平然といつも通り
のプレーができる「強さ」に強い印象を受けているようです。

 特に、キャプテンのサネッティについては、メンタル面やプレー面、キャプテン
シーと言った公的な側面だけでなく、その人となりについても、手放しといっても
いい程の賛辞を送っており、再三この本の中で取り上げられています。

 そんな中で長友選手が順調に「世界一のサイドバック」への階段を登っているの
は、本人の言う「努力をする才能」もさることながら、いいものを積極的に受け入
れることができる素直なキャラがあるんじゃないかと思っています。

 サッカーで、世界一流の選手を目の前にして参考にするというのは、まあフツー
に理解できるんですが、長友選手はずっと昔に、親や祖父母に言われた古い言い伝え
も、ちゃんと自分の中で生かしていることが、成長の小さくない要素なんじゃないか
と、この本を読んでいて感じました。