- 作者: 平尾誠二
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2006/11/16
- メディア: 新書
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元ラグビー日本代表監督って言うか、未だにラグビー界のアイコンの一人
である平尾さんの著書です。
平尾さんのモチベーション論って、従来の日本スポーツ界に蔓延る根性論
とは一線を画していて、神戸製鋼が強かった頃のインタビューで語られて
いたことを読んで、凄く感銘を受けた記憶があります。
この本は、2006年のサッカーのドイツW杯で、日本代表が実力を出し切れず
に敗退したことを受けて、話を始められています。
マネジメントの巧拙はそのチームを詳しく知らないんで言及しないとして、
と前置きをされながら、「内発的なモチベーション」を刺激したジーコの
チームマネジメントは、「外圧的なモチベーション」喚起をベースとした
トルシエのチームマネジメントより、長い目で見るとチーム力の強化に、より
適していると、平尾さんは言います。
ご自身も、同志社大学で、岡先生の自主性を尊重する教育方針の下で成果
を出した影響からか、強制力で「型」に嵌めるアプローチよりも、選手自身
が自分で、どうやったらいいかを自主的に考えて、やりたいと思った方向性
で取り組むことの方が、より強い意欲を持ってとりくめることから、成果が
でやすい、と考えておられるようです。
ただ、これまでのスポーツ界では、野球に代表されるように、指導者側が
しっかりと管理をして…というやり方が主流でしたが、サッカーやラグビー
のような流動性の高い競技では、そういう自主性を二の次にしたやり方では
成果を出すのは難しいようです。
そういった状況は、実は日本社会でも出始めていて、「管理」による
マネジメントより「自主性」を尊重するマネジメントの方が、不確実性の
高くなった現在ではふさわしいのではないかと、説かれています。
もっともっと触れたいことがあるのですが、スポーツやマネジメントに
関心のある方は、是非是非、一読してみてください!