おかんの昼ごはん ---親の老いと、本当のワタシと、仕事の選択
- 作者: 山田ズーニー
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: 単行本
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この本も、糸井重里さん主宰の「ほぼ日イトイ新聞」というサイトの
「おとなの小論文教室。」という連載コラムをまとめた本です。
今回のテーマは、サブタイトルにもある通り、「親の老い」、「本当
のワタシ」、「仕事の選択」です。
この中でも、ページ数も圧倒的に多いのもあるのですが、メインのタイ
トルが示唆するように、「親の老い」に関するトピックが一番印象に残っ
ています。
ワタクシも40代半ばに差し掛かり、周りの同年代の親が亡くなると言う
話をボチボチ聞き始めるようになっています。
まだ、ウチの場合、急にどうこうと言う状況ではないのですが、母親が
ひとりで生活していると言うこともあって、こういう話になると身に詰ま
される想いがします。
この本でも、地方に親を残して、東京や大阪で仕事を持っている人が
実家に帰ったときに、複雑な思いをしたあまり、冷淡に対応してしまった
話が書かれていますが、ワタクシ自身、そういう対応はしないまでも、
そうしてしまう気持ちはなんとなく理解できます。
ただ、そうやって正面から向き合わなかったが故に、親が亡くなって
しまってから、悔恨を抱き続けている人の話も取り上げられています。
ワタクシ自身、どうしようという答えは無いのですが、ズーニーさん
がおっしゃるように、「親の老い」と言うのは、親の「最後の教育」と
いう表現に激しく同意してしまいます。
この話があまりに深くて、一緒に読んでしまうと、後のトピックの、
「本当のワタシ」と「仕事の選択」が浅薄に思えてしまう(それは、
それで重いテーマなんですが…)のが難点ですが、ボチボチ、親の老い
に直面する人には、是非一読していただきたい本です。