ライク・ア・ヴァージン/リチャード・ブランソン

ライク・ア・ヴァージン ビジネススクールでは教えてくれない成功哲学

ライク・ア・ヴァージン ビジネススクールでは教えてくれない成功哲学

 ヴァージングループの総帥であるリチャード・ブランソン氏が主に
起業家・経営者からの質問に答えるという形で構成された著書です。

 ブランソン氏というと、巨大企業集団の総帥でありながら、冒険家
顔負けの行動で、生命の危険も冒すと言う破天荒な印象があったので
すが、この本を読んで、起業家として、ものすごく緻密に事業を展開
されていたんだなあ、ということを感じました。

 もちろん、ガチガチに戦略をたててその通りに動くということでは
なくて、インスピレーションがあって、面白い!と思ったことに対し
て、それに取り組んだ場合に起こりうることを徹底的に想定して、最
悪の状況が発生した場合でも、それが許容範囲であれば、敢然と取り
組むといった感じでしょうか…

 それでも、他のエスタブリッシュメント比べると異端だと思われて
いるのが、何のために事業を行うのか、という根っこのところが、
全く他のビジネスパーソンと違うからなんだと思います。

 「何のために」というのが、「おカネ」のためではなく、「楽しく」
やれる、ことにプライオリティをおいていることで、お客さんも巻き
込んで「楽しむ」ことで、よりお客さんからのロイヤルティを獲得し
ているということで、ある意味まっとうなやり方なのかもしれません。

 「まっとうな」ビジネスパーソンは、ブランソン氏の外面的なイメ
ージで、この本を無視されるかもしれませんが、特に煮詰まっている、
起業家・経営者には、事態打開のヒントが隠されているかもしれない
ので、是非とも一読していただきたいものです。