坂の上の坂/藤原和博

坂の上の坂

坂の上の坂

 「雲」ではなく、「坂」です…

 「坂」というのが、サラリーマンとしての人生で、そこを登りきった後に、また
もう一つの「坂」:人生があるというです。

 最初の人生をどう生きるか、によってその後の「坂」がどうなるか、ということ
に大きな影響を受けるということになる、ということなのですが、サラリーマンと
しての人生を突き詰めると、そのあとの「坂」が…ということのようです。

 リクルートで、本部長にまで登り詰めたあと、体調の悪化があったり、ヨーロッパ
への赴任があったりということで、価値観のシフトがあった結果、フェローという立
場への移行、民間出身者初の校長への就任という遍歴をたどられるわけですが、その
結果、人生自体が豊かになったようです。

 サラリーマンとしての人生を突き詰めることを否定されているわけではないのですが、
そうすることによって、言ってみれば、周辺を焼き尽くすようなことまで覚悟した上で
進む必要があることを示唆されています。

 どうやらもうちょっと早いタイミングで読むことを想定されているようなのですが、
30代半ばの人には、これを読んだ上で人生の選択をしてもらいたいものだと思います。