人の10倍の「仕事量」をこなす技術/五十棲剛史

人の10倍の「仕事量」をこなす技術 (PHPビジネス新書)

人の10倍の「仕事量」をこなす技術 (PHPビジネス新書)

 先日、『仕事でいちばん大切にしたいたったひとつのこと。-自分らしさを究めれば、組織が変わる人生が変わるー
がよかったので、早速、五十棲さんの本を再読しました。

 前回、「自分らしさ」を発揮することで、自分にも会社にも利益を
もたらす、ということが書かれていましたが、この本も言ってみれば、
コインの裏側から見た…という感じですかね。

 これも、「10倍」というところがミソで、2,3倍だったら効率を
上げて、とかって考えてしまいがちなんでしょうけど、10倍となると
根本的にやり方を考え直さないといけないから、ということのよう
です。

 こういうタイトルの本だと、いかに効率を上げるかということが
テーマになりそうですが、五十棲さんは「効率向上」に懐疑的な目
を向けられています。

 じゃあ、どういうことかというと、「自分が最も価値を発揮できる
ことに注力する」ということのようで、自分がやることを、それに
つながることに限定するということです。

 そのためには、自分の仕事の各タスクがそれぞれどれくらい、最
終的な価値の創造につながっているのか、ということを冷静に見極
めた上で、それ以外のタスクをできるだけ減らしていく必要がある
ということです。

 とは言うものの、五十棲さんはあまりこれを若い人には薦められ
ていません。

 というのも、「仕事観」が形成されるまでは、とりあえず何でも
やってみる、そうじゃないとあんまり経験のない中で、独りよがり
な判断をしてしまいかねないから、ということみたいです。

 そういうところもバランスが取れてていいですね。