人生の質問に答えます/養老孟司、太田光

養老孟司・太田光 人生の疑問に答えます (新潮文庫)

養老孟司・太田光 人生の疑問に答えます (新潮文庫)

 養老先生と、爆笑問題の太田さんという異色のコンビに
よる人生相談をまとめた本です。

 この本の中で、養老先生が再三おっしゃっているのは、
戦後、日本において、コミュニティの構成単位が、「家」
から「個人」に移った事で、人間関係の軋轢が生まれてい
る側面がある、ということで、まだ日本の社会では、完全
に、「個人」への移行が終わっていない、といった趣旨の
ことです。

 例えば、親の介護のことであったり、跡取りのことだっ
たり、まだまだ我々の生活においては、「家」との関わり
が随所に現れてきます。

 逆に、これまで「家」がコミュニティの基礎にあった
ため、知らないうちにコミュニケーションのベースができ
てきていたのが、核家族化の進展で、そういった経験が
できないまま、うまくコミュニケーションができないよう
になってしまっているという要素もあるようです。

 なんとなく納得できるところがありますよね。