デッドライン仕事術/吉越 浩一郎

デッドライン仕事術 (祥伝社新書)

デッドライン仕事術 (祥伝社新書)

 出版当時、大きな話題となったトリンプ元社長・吉越さんの著書です。

 出版当初に購入して読んだ時は、随分とギスギスした印象を受けたの
ですが、再読してみてかなり印象が変わっていたのに、自分でも驚きま
した。

 というのも、当時と比べると「ワーク・ライフバランス」の考え方が、
実際に浸透しているとは言えないまでも、考え方自体は膾炙されており、
そういう志向を持つ人も、増加のスピードは緩やかなものの、確実に
増加しているからなんですかね…

 ついつい我々は、残業する時間を「計算に入れて」仕事の段取りを
考えて(もしくは、全く段取りをしていないから、残業をする??)
しまいがちなんですが、それを、定時後は、フロアの電源を消してし
まって、物理的に残業をできなくする、という手法に、随分驚いたの
ですが、そうでもしないと、きっと掛け声だけにおわってしまうんで
すよね。

 また、「決裁」をする人にとっても、現場をちゃんと見ていないか
ら、「決裁」に時間がかかるんだ、ということを明確にして、現場を呼び
つけるんじゃなくて、最前線のスタッフの次に、「現場」の状況を知って
いるようじゃないと、経営効率は上がってこない、と断言されています。

 前者はともかく、後者が、日本のホワイトカラーの生産性向上の阻害
要因だった、というのは、改めて読み返しても新鮮な驚きがあります。
(ってことは、あんまり当時から状況が進んでいない、ってことなんで
すよね…)