アマチュアスポーツも金次第/生島淳

アマチュアスポーツも金次第 (朝日新書 45)

アマチュアスポーツも金次第 (朝日新書 45)

 物騒なタイトルの本ですが、タイトルのある「アマチュア」に限らず、
「スポーツ」と「お金」の関係についてのトピックを扱った本です。

 この本を書かれたきっかけというのが、2004年に発覚した、プロ野球
の数球団が、学生やその指導者に対していわゆる「裏金」を渡していた
ことが発覚した事件なんだそうです。

 確かに、こういう「ルール違反」については論外ですが、アマチュア
スポーツとはいえ、多くの人の興味をそそるということは、それにまつ
わる「お金」というものが、よい面にせよ、悪い面にせよ、関わってく
ることは必然といえます。

 タイトルだけ見ると、ダークサイドに焦点が当てられているようです
が、そればかりではなく、アマチュアであってもある程度の投資が無け
れば強化もままならないのは自明のことで、「お金がかかる=悪」とい
う単純な発想は発想は避けなければいけないことを示唆されています。

 プロについても言及されているのですが、生島さんがおっしゃるのは
「お金」が絡むこと自体に悪いことは無いのですが、いかに「公平」な
競技環境をつくるか、ということについて、ちゃんと「お金」の流れを
チェックするような仕組みが必要だとおっしゃいます。

 「スポーツ」と「お金」というと、とかく斜めからモノを見る人が
多い中、この本では非常に、プレーンで冷静な視点が、印象的で、流石
だなあ、と思わせられましたね。