スローシンキング/安藤雅彦

スローシンキング

スローシンキング

 予備校で地学の講師をされている方が書かれた、「地学的思考」に
ついての本です。

 「地学的思考」となっていますが、地学に限った話ではなく、「思考」
すること、「思考」しないことが我々にもたらすこと、ひいては「思考」
の重要性について語られます。

 昨今は、インターネットの普及により、相当難しい問題もネットを
調べれば簡単に答えがわかるようになり、問題があったら、それに対応
する答えを直接求めようとする傾向が強まっているようです。

 でも、そういう風にしていたら未知の問題が起こった場合に何の解決策
も見出せなくなってしまいます。

 以前、脳科学者の池谷さんが似たようなことをおっしゃっていましたが、
記憶するよりもプロセスを習得したほうが、様々な問題に対処しやすくな
る、ということが、この本でも語られています。

 そのためには、

?好奇心を持って、「種々雑多な物事」に触れる
?新しく得た知識と自分の知識との間に「違和感」を見つける
?生まれてくる疑問をどんどん「疑問の箱」に放り込んでいく
?疑問の中から基準を見つけられたものを「関連付け」ていく
?関連づけられた情報を「情報の棚」に整理する

といったプロセスを繰り返すことが必要なようです。

 こういうことを繰り返しているうちに、問題解決のチカラが向上するん
でしょうね。