決めて断つ／黒田博樹

決めて断つ

　今や名門ヤンキースで先発ローテーションの柱をなす、黒田投手の著書です。

　黒田さんというと、個人的には「不言実行」みたいなイメージがあるのですが
ご本人曰く、そんなにストイックではないということですが、元々、高校時代
は控え投手で、才能があったわけではないので、一つ一つ積み上げていくしか
なかった、ということなんだそうです。

　そういうことでダルビッシュ投手や田中投手のような派手さはないものの、
自分の役割をキッチリと果たすということが、メジャーの先発投手の中でも
有数の評価を得るまでになったんだな、と思います。

　後一つ、黒田さんらしいな、と思ったエピソードが、ドジャース在籍時に、
シーズン後半になって、ドジャースがポストシーズン進出の見込みが無くなっ
た際に、メジャーでは通常、ポストシーズン進出の見込みのあるチームが、
そうでないチームの有力選手を引き抜くといったことがあって、相当有利な
条件での引き抜きがあるようですが、黒田さんは、そういう形で移籍して優勝
してもチームメートと一緒に喜びを分かち合えるか、と考えて断られたという
ことです。

　そういう義理堅さって日本固有のものなのかな、と思いますが、そういう
部分も信用される要素なのかな、とも思います。