キャラクター・パワー/青木貞茂

 広告やブランディングを専門とする法政大学のセンセイのキャラクター
に関する著書です。

 ふなっしーくまモンなど「ゆるキャラ」を始めとするキャラクターの
人気がスゴイですが、キャラクターの起源から、広告やブランディング
の活用の方向性など、

 この本の中で指摘されていることで、ちょっと意外で妙に納得したのが、
日本のキャラクターって、ディズニーを始めとする欧米から来たキャラク
ターと違って、無表情なキャラが多いということで、思い出してみたら、
ハローキティくまモン、リラッくまといった人気キャラも無表情ですよ
ね…これって、見る側が感情移入できるようにということなんだそうなの
ですが、工業製品などで精緻な完成度を求めるのに対して、キャラクター
には、「隙」を求めるのがおもしろい、といった論評が印象的です。

 また、仏像や妖怪なんかを、日本人のキャラクター観のルーツと指摘さ
れており、妖怪をキャラクター視するところから流れ流れて、ポケモン
行き着いているというところなど、無理矢理感満載ですが、力技で納得さ
せられてしまいます。

 広告論やブランディングが御専門の割りに、その方面への適用について
は、その業界の方が書かれるのに比べると、なんだかよくわからない内容
になっているのが残念ですが、前半だけでも結構興味深いので、是非手に
とってみてください!