こう観ればサッカーは0-0でも面白い/福西崇史

 元サッカー日本代表ボランチの福西さんによる、「サッカーの見方」
に関する本です。

 サッカー観戦の初心者をターゲットにしていると思われるのですが、
どっちかというと「選手目線」の部分が多いのかな、と感じました。

 福西さんが、サッカーを感染する上でポイントとして挙げられてい
るのが、

・戦術
・個の力
ボランチ

ということで、最後のところは手前味噌というか、コジツケ的な感じ
もなくはないですが、近年のサッカーの戦術的なキモをになうボランチ
をよく見ていれば、チームのカラーというか戦術も理解しやすいという
ことのようです。

 マラドーナの頃までは、「個の力」というものがサッカーの試合を決
定づける最重要ポイントだったのが、サッキのACミランにおけるプレッ
シング革命により、「戦術」により試合の行方が左右される部分が大き
くなり、現在は「戦術」と「個の力」の融合が最重要の課題となっている
ということです。

 その中で、従来戦術的な適応力の高さを買われていた日本人ですが、
香川、長友といった「個の力」を持つ選手たちの出現により、世界的に
台頭していける可能性が高まっている、と福西さんは考えているよう
です。

 さらに、「個の力」というのは、圧倒的なスピードやパワーだけでは
なく、局面での対応力といった、日本人選手でも持っているものが重要視
されるようになっており、そんな話を聞いていると、W杯での活躍も絵空
事ではなくなるのかも…という希望を抱かせてくれます。