祖母力/祖母井秀隆

祖母力 うばぢから オシムが心酔した男の行動哲学

祖母力 うばぢから オシムが心酔した男の行動哲学

 『夢想するサッカー狂の書斎 ぼくの採点表から』を読んでて、まだこの
ブログで紹介していないことに気づいて、久々に手にとってみました。

 ジェフのGM時代に、後の日本代表監督オシム氏を招聘したことで知ら
れる祖母井さんですが、その後、グルノーブルというフランスのチームの
GMを経て、現在は京都サンガのGMをされています。

 ジェフのGMに就任されるまでの半生は、サッカーのプレイスタイルも
含めて、中々破天荒だったようですが、それにも関わらずというか、そう
だからというか、非常に人のつながりというものを重視されていて、その
ことが、後のオシム氏やベルデニック氏と言った世界的な名将を、極東の
弱小クラブに招聘できたことにつながっているようです。

 ということで、祖母井さんは、ご自身のお名前とGMということを引っ
掛けているわけではないとおっしゃりながらも、GMという職に要求され
るのは、おばあさんのような、全体を見ながらも細かいことにまで目を配
れるような能力が必要だということで、それが「祖母力」というタイトル
につながっているんだ、ということです。

 以前紹介した『「監督を決める」仕事―世界が認めた日本人GMの 逃げないマネジメント
でも書かれていましたが、祖母井さんは自分が連れてきた監督を自分から
解任したことはない、ということでしたが、この本の中でも、辞める時は
一緒に、と思えない人は監督として呼ばない、的なことを書かれており、
切った貼ったのサッカー界の中で、それでいいのか?という意見もあるか
もしれませんが、そういうガッツリ人間同士が関わりあう、というのも
一つのロールモデルになればいいな、と思います。