平常心のレッスン/小池龍之介

平常心のレッスン (朝日新書)

平常心のレッスン (朝日新書)

 東京と山口のお寺で住職を勤められていて、最近、著書が注目を浴びている
方の本です。

 なぜ人は「平常心」を保つことが難しいか、と言うことなのですが、それは
多くの人が、何らかの形で、何かに「執着」しているからなんだということで
す。

 モノであったり、尊敬であったり、愛情であったり、失いたくないものがあ
るからこそ、それを脅かす何かに対して、怒りや恐怖を覚えて、それゆえに、
平常心を失ってしまうんだということです。

 突き詰めて言えば、人が命を失うことに恐怖を覚えることにつながっていく
ようです。

 だから、平常心を乱すものは、決して不快な感情だけではなく、「快」に
思える感情も、それを失いたくないという感情につながるので、平常心を乱す
大きな要因であるようです。

 だからと言って、感情が動くのは、ある意味仕方がないことなのですが、
その「振れ幅」を小さくしようと言うのが、この本の趣旨のようです。

 自分のココロの状況をモニタリングすることで、段々とそういう「触れ幅」
が小さくなっていくようなのですが、そのために、呼吸の状況をモニタリング
することが役立つようです。

 でも、そういうモニタリングにも神経質にならずに、雑念があるのを許容
することも重要なんだそうです。