数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身につく本!/細野真宏

細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!

細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!


 『「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~世界一わかりやすい経済の本~ (扶桑社新書)
を紹介したときに予告しましたが、さっそくこの本を手にとって見ました。

 「数学的思考力」って言うと、「数学」っていうだけで敬遠してしまう
人が多いかもしれませんが、多くの人が想像する「数字の羅列」的なもの
では内容です。

 細野さんによると、「数学的思考力」と言うのは、「情報をフローチャ
ートにまとめることができる能力」だとおっしゃいます。

 それだけじゃなんのことかわかりにくいと思いますが、「フローチャー
トにまとめる」ということは、「話の段階を、順を追って整理していく」
ということなんだそうです。

 例えば、「円高になったら、輸出業者の業績が厳しくなる」ということ
を小学生にでもわかるように説明してみなさい、という例題をこの本の
中で取り上げていますが、そういうことを段階を踏んで説明できるという
のが、「数学的思考力」のようです。

 それもただ、多段階を踏んで説明すればいいと言うわけではなく、それ
ぞれの段階が、誰が見てもちゃんとつじつまが合っているものではないと
いけないとか、まわりくどすぎるものでもダメだとか、そういうバランス
を取れたものでないといけないと言うことです。

 また、そのために、一つ一つの説明が、ひとりよがりなものになってい
ないかということを確認するために、「仮説の設定」と「検証」を繰りか
していく必要があるということです。

 「A→B」っていうことを、得てして頭が良かったり、物知りだと自認
する人ほど、実はあんまり「→」の部分の妥当性が怪しかったりするよう
で、しっかりと「仮説」と「検証」の繰り返しを経て、自分の中に、「情
報の基盤」を築き上げることが「数学的思考力」を身につける近道になる
ようです。