- 作者: 小池龍之介
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2011/08/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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現役の住職である小池さんが語る、3・11以後の日本人のココロに
ついて語った本です。
みなさん、3・11以後、震災で生活に影響を受けたか受けないかに
関らず、いろいろと自分と自分の周りについて、想いを致したと思うの
ですが、この本を読んで、改めてそういう想いを反芻してもらいたいと
感じました。
大きく分けて、震災直後の「自粛」ということと、被災者に向けての
「慈悲」ということと、進みすぎた文明の歪みがもたらす「うつ」に
ついて語られているのですが、震災があって、楽しんでいる場合じゃな
いという意味で、「自粛」をするというのは、ある意味好ましいココロ
の在り様かもしれないのですが、だからと言って、前に進むのを躊躇う
のは、被害に遭った人たちの臨むところではないでしょうし、そういう
意味で、起こったことと、それに対する自分の反応としての感情という
のは分けて考えるべきだ、ということを語られています。
あと、震災以後、一時的ではあるけれども、過剰な娯楽を拒否すると
いった風潮がありましたが、それは、ある意味、日本人が健全な状態を
取り戻すチャンスだったかもしれない、とおっしゃられているような気
がしました。
というのも、あまりに「快」が過ぎることが、却って心理的な不安定
さをもたらしているのではないか、ということを示唆されているのです
が、文明が進んでいなかった頃に、そんなにうつが広がっていなかった
ことに鑑みると、当たっているのかもしれません。