20代のうちに会っておくべき35人のひと/千田琢哉

20代のうちに会っておくべき35人のひと (だいわ文庫)

20代のうちに会っておくべき35人のひと (だいわ文庫)

 最近よく書店で著書が平積みになっているのを見て気になっていたの
ですが、このブログで著書を紹介するのは、どうやら初めてらしいです。

 タイトルだけ見ると、よく自己啓発書で言われるメンター探し的な話
に見えるのですが、確かにそういう側面はあるのですが、よくある自己
啓発書が言う「メンター」のアンチテーゼのようにも聞こえます。

 というのも、メンターというのが、自分が持っていない素晴しいモノ
を与えてくれるというか、教えてくれる存在という風にイメージするん
ですけど、ムカつくヤツや、扱いに困る上司なんかも含めて、自分が出
会う全ての人から、何らかの学ぶところがあるんじゃないのか、という
ことを示唆されているように感じます。

 もちろん、ダメダメな人だけじゃなくて、とんでもなく抜きん出た人
のことも書かれているのですが、ただただそういう人にも憧れたりとか、
ガツガツ盗んでやろうというんではなく、最後に書かれているんですが、
そういうダメダメな部分も、とんでもなく抜きん出た部分も、気づかない
だけで自分の中にあるのかもしれない、ということをおっしゃています。

 だから、出会った全ての人を鏡にして、自分の良いところ悪いところ
を映し出して、どうやって行ったらいいのかっていうことを冷静に見出す
トレーニングをするためのヒントとして、是非とも一読していただきたい
好著だと思います。