- 作者: 小幡績
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2013/01/31
- メディア: 新書
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アベノミクスが動き始めた頃に、真っ向からその政策に異を唱えて
話題になった本です。
出版当初は、図書館もスッゴイ予約の数で、いつになったら読める
んだろう、と思っておりましたが、さすがにほとぼりが冷めたようで、
ようやく手に取ることができました。
で、正直ベースの感想ですが、肩透かしって感じでしたね。
アベノミクスって、基本的なマクロ経済学をカジッた人からすると、
何か釈然としないものを感じさせるモノだという印象があったのです
が、基本的には、そういう違和感を解きほぐしている、というのが
この本の内容です。
インフレをムリヤリ起こすと言うことの危険性とは、円安政策の
脆弱性とか、あんまりマクロ経済学の知識が無い人にはいいのかも
知れませんが、ちょっとワタクシには物足りませんでした。
まあ、ターゲットがその辺だと言えば、そうなんですか…と言う
しかないんですが…
しかも、じゃあデフレを放置していいのか?というありがちな
反論に対する回答も示されていないので、ちょっともどかしさを
感じます。
ただ、本当に最後の方に、処方箋とはいえないくらい原則論的な
ことなんですが、自国通貨の価値を下げる政策の陳腐性というか、
あくまで一時的な効果しかないものに拘泥するのではなくて、ホント
に国の経済力の底上げにつながるような政策を志向するために、ドル
をベースに思考した方がいいんじゃなか、というのは、結構納得感が
ありました。