僕に働く意味を教えてくれた29通の手紙/福島正伸

 これまで福島さんがいろんな本で紹介されてきたことを、ストーリー仕立てに
して、ギュッと1冊にしたといった感じの本です。

 仕事で閉塞感を感じている中堅のサラリーマンが、ある時から届き始めた、
差出人不明の禅問答のようなフレーズが書かれた手紙の教えを段々と受け入れる
ようになり、状況を打開するといった感じのストーリーです。

 ついつい我々は、やっつけで仕事をしてしまったり、知らぬ間に責任を回避
してしまったり、何かの失敗を自分以外のモノのせいにしてしまったり、といっ
たことをしてしまいますが、そういうことって、積もり積もって、自分への信頼
をなくしてしまうことにつながってしまいます。

 そんな中で、どうしたら信頼感を得られるというか、周囲の支持を集めるよう
になれるか、ということなのですが、ある意味、自分の中に「覚悟」というの
が必要なんだ、ということのようです。

 ただ、「覚悟」とは言っても、悲愴感を漂わせてやってもダメで、これだ!
というものを、自分が楽しんでやっていくことで、周りもその姿に共感してく
れる、といったことのようです。