- 作者: 谷沢永一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/05
- メディア: 単行本
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開高健の盟友としても知られる、天下の碩学による「人間」に関するエッセイ集
とでも言うのでしょうか…
谷沢先生と言うと、ワタクシが大学に在学中に、谷沢先生がおられて何度かお見
かけしたことがあるのですが、ワタクシの卒業するかしないかの頃にこの本が出版
されて、大きな話題になったことを覚えています。
先日紹介した千田さんの『人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。』
で取り上げられていたのを見て、懐かしくなって手にとって見ました。
開高健の読者にとっての谷沢先生というと、若き日の気難しい姿を思い浮かべ
がちですが、晩年は、人間の機微に通じた、という感じで、その結晶がこの本な
のかも知れません。
人間の愚かしさというか、至らなさが連綿と綴られていて、身につまされると
ころも少なくないのですが、そういう部分を自分も持っていると言うことを含め
て、人間が皆それぞれ、そういうところを抱えているということを念頭に置いた
上で、日々、周辺の人に対峙していくことが、「人間通」−他人の気持ちを的確
に理解できる人−になることなのかもしれません。