起業は1冊のノートから始めなさい/上野光夫

 元々、日本政策金融公庫で中小企業向けの融資をされていて、現在独立されて、
起業や中小企業の支援をされている方の本です。

 自らも「起業」をしたということもあって、起業をする側とそれを支える側
双方の視点があって、他の起業本にはない視点があるような気がしています。

 「1冊のノート」ということで、ノートの使い方みたいなことをイメージする
かもしれませんが、そのノートに、徐々に事業計画書に盛り込むべき内容を
蓄積していくことで、段々と起業の意欲を高めて、やるべきことを明確にし、
足元を固めていくといったアプローチを勧められています。

 融資を担当されていたときに、数々の起業の様子を見られてきた経験から、
事業計画策定の重要性を強調されており、しっかりと妥当性のある事業計画
を立てられてきた企業は生き残って行っており、そうでない企業は起業には
いたっても3年持たずにツブれてしまう可能性が圧倒的に高い、ということの
ようです。

 そういった趣旨で、事業計画として触れるべき項目を網羅されているのと、
その内容を、一気に作ろうとするのではなく、日々、少しずつ行動を積み重ね
ていって、ノートに、その項目を埋めていくことで起業への意欲と覚悟を固め
ていくことが、確実な起業とその後の事業運営につながる、と言うことです。