一流の人がやる気を高める10の方法/中野ジェームス修一

一流の人がやる気を高める10の方法 (ソフトバンク新書)

一流の人がやる気を高める10の方法 (ソフトバンク新書)

 トップアスリートのモチベーションに関するサポートも行う方の
著書です。

 モチベーションの維持・向上と言うと、石田淳さんの行動科学を
ベースにした一連の著作を除けば、割と定性的に語られたモノが多
くて、ナットクはできるんだけど、論理的な裏付けが薄いモノが多
かったりするのですが、この方は、しっかり結果が求められる立場
にあるので、結構科学的なアプローチを取られています。

 だから、一般的なモチベーション論とは真逆のことが書かれてい
たりもします。

 割と他のモチベーション論だと、外発的誘因に基づくモチベーシ
ョンを否定とまではいかないまでも、内発的誘因に基づくものより
も一段低いものとみなす傾向がありますが、何が何でも結果を出す
ためには、外発的誘因に基づくものでもなんでも、モチベーション
を掻き立てる必要があったりするので、この本では一概にネガティ
ブには捉えません。

 モチベーションを欲求や願望に基づく「動因」とそれに近づくた
めの「誘因」に分けて考えて、さらに「動因」をどんどん具体的な
細かいものに落とし込んで行って、それらを徐々に実現していく
ことによって、「動因」を満たすという考え方なんですが、その中
で、それぞれの「動因」にふさわしい「誘因」があるということで、
非常にロジカルにモチベーションを考えられています。