覚悟/栗山英樹

覚悟 理論派新人監督は、なぜ理論を捨てたのか

覚悟 理論派新人監督は、なぜ理論を捨てたのか

 北海道日本ハムファイターズの栗山監督の著書です。

 監督就任一年目の戦いについて語られているのですが、監督就任以前の解説者
時代、理論派というか知性派として知られた栗山さんですが、監督就任以降、敢
えてそうしているのか、理論なんて役に立たないと感じたのか、そういった部分
を封印されているという印象がありました。

 結局その年、監督就任一年目にしてリーグ優勝を果たして、人間味あふれる采
配が脚光を浴びたのですが、この本を読んでいると、そういうことを殊更意識し
ていたわけではなさそうで、必死に選手たちと向き合ってやってきた結果、そう
なったに過ぎないんではないか、という気さえしてきます。

 その後、優勝から遠ざかっているのは、そういう思い切った姿勢が欠如して
しまったが故なのか…と思ってしまうくらいですね。