敗北という収穫/金子達仁

敗北という収穫 (中公新書ラクレ)

敗北という収穫 (中公新書ラクレ)

 ワタクシがサッカーに興味を持ち始めた頃、金子氏の絶頂期で、
28年目のハーフタイム』や『決戦前夜―Road to FRANCE
といったドキュメンタリーだけでなく、Numberでの執筆やエッセイ
なんかも読み漁ったので、ワタクシのサッカー観は、金子氏からの
影響が有形無形で伺えるところがあると思いますが、最近、あんま
りサッカー関連の著作をされていないようで、寂しい限りです。

 この本は、南アW杯直前に出版された本で、この頃金子氏は、
ツマラナイ戦いをする位ならいっそのこと惨敗して、将来の礎に
せよ!的な論評をされていて、それはそれなりに支持されていた
ように記憶しているのですが、決勝トーナメント進出という
“結果”が出た後は、「岡ちゃんに謝れ!」的なバッシングを
受けてたような記憶があります。

 でも、確かに結果を残すための挫折や、修羅場をくぐること
というのは必要だと思いますし、列強もそうやって強くなって
きていることから鑑みても、日本代表はまだまだヌルイ!と
金子氏は見ておられるようです。

 でも、オーストラリアも斜陽だし、韓国とはシードの関係で
当たらないし、でもその両者すらも世界的に見てそんなに強い
わけではないし…どうやったら、そういうシビレる体験ができ
るんでしょうね…