仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか/相原孝夫

 人材マネジメントを専門とされているコンサルタントの方の著書です。

 以前紹介した、ソフトブレーン創業者の宋さんの著書にもありましたが、
ことさらにモチベーションのことをウルさく言う企業は、ほとんどが業績
がよくないということを、この本でもおっしゃられています。

 宋さんの著書は、エッセイみたいなものなので、そこで終わっているの
ですが、この本は一冊、日本企業におけるモチベーションについて語られ
ています。

 そもそもモチベーションなんていうものは、「危機感も無く、プロセス
に没頭していない」状況で浮かぶもので、確かに食うために必死だった
頃にモチベーションが云々されることはなかった、と言われてみればその
通りだな、とナットクさせられます。

 ただ単にモチベーションと言うのが、有害なモノとして機能する状況
についても語られていて、往々にして、「モチベーションの高い」上司
が、社内に害悪を撒き散らし、部下をダメにした挙句、自分も精神を病
んでしまうケースが多々見られるようです。(実際に、世間で「モチベ
ーション」と言う言葉が取りざたされることが多くなった時期に、同じ
「うつ」と言う言葉の出現頻度が高くなったということです。)

 そもそも仕事をこなして行く上で、モチベーションなどというのは必
要がなくて、ハイパフォーマンスを出す人の特徴として、「柔軟性」を
挙げられています。

 そういう人たちは、人との「つながり」を大事にしていることも多い
ということで、モチベーションではなく「つながり」を重視した働き方
を重視すべきではないか、と示唆されて、この本を終わられています。

 相当目からウロコで、一気に読んでしまいました。