金融広告を読め/吉本佳生

金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか (光文社新書)

金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか (光文社新書)

 『スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学』などで知られる
吉本さんの金融商品の広告に関する本です。

 以前、竹川美奈子さんの大ベストセラー『投資信託にだまされるな』
でも、架空の金融商品について、実際にありがちな広告の手法を引き合い
に出して、金融機関が投資家を引っ掛ける「手口」を紹介していましたが、
この本は、投資信託に限らず、外貨預金ETFなど多くの金融商品
ついて同様の「引っ掛けの手口」を詳細に紹介しておられて、なんと
500ページあまりにも及ぶ大著となっています。

 税引き前の利回りを大きく出すのなんて朝飯前で、米粒のようなリスク
に関する記述や、それすらも書かない広告もあったり、年利を表示して
いながら、実際の配当は3か月分だったりと、金融機関って詐欺師とあん
まり変わらないんじゃないか、と思えてしまうような阿漕な手管が満載
です。

 でも、それでも、勉強しない方が負けのようで、この本を手元に置いて
しっかりと戦っていきたいものですね。