働かないオジサンの給料はなぜ高いのか/楠木新

 

働かないオジサンの給料はなぜ高いのか: 人事評価の真実 (新潮新書)

働かないオジサンの給料はなぜ高いのか: 人事評価の真実 (新潮新書)

 

 

 『人事部は見ている。 (日経プレミアシリーズ)』の楠木さんの著

書です。

 なかなかキャッチーなタイトルですが、これ自体はどっちかというと
編集サイドから出たモノみたい(それっぽいことを本文の中でもほのめ
かされていますが…)で、これ自体に関する内容は、ホンのサラッと触
れられているだけで、内容としては『人事部は見ている』の続編という
か、似た内容のものを他の出版社から出したモノというか…

 そもそも、“働かないオジサン”がそれなりの給料を得ていることは
もとより、そんな人が存在すること自体が、日本以外の国ではあり得ない
ことのようです。

 じゃあ、なぜそういうモノが存在するのか、と言うと、終身雇用慣行
と新卒一括採用が、その原因なんだそうです。

 外国ではそもそも新卒一括採用ということ自体が無いようで、かつ、
職務ごとの募集をかけるので、いわゆる“同期”という概念が無いよう
です。

 日本では、“同期”を競わせて選抜して行く、ということで、そこ
からモレた人が、いわゆる“働かないオジサン”になるわけですが、
多くの企業が終身雇用慣行から抜け切っていないため、そういうオジサ
ンも抱えつづけているということです。

 再就職の市場の不備だとか、その他にも原因があるのですが、こう
いう慣行が、成果主義の定着を阻んでおり、ひいては日本企業の国際
競争力を低下させていると言う側面も否めないようですし、“働かない
オジサン”自身の“人生の充実”という面でも大きな問題を抱えて
いますので、何とかしないといけないですよね…とつぶやく、“働かな
いオジサン”でした…