貧困大国ニッポン/門倉貴史+賃金クライシス取材班

 

貧困大国ニッポン―2割の日本人が年収200万円以下 (宝島社新書 273)

貧困大国ニッポン―2割の日本人が年収200万円以下 (宝島社新書 273)

 

 

 先日、『ワーキングプアは自己責任か』を紹介しましたが、この本も

同一線上のテーマを扱っているのですが、具体的に「ワーキングプア
に該当する人たちの証言を中心に紹介されており、よりその生活の厳し
さを鮮明にされています。

 ホントにこれって実話?と思うくらい悲惨な状況が延々と紹介されて
いて、戦慄を覚えながら一気に読んだのですが、『ワーキングプアは自己責任か』
のレポートでも書きましたが、これが資本主義の成れの果てかと思う
とやるせない想いを強く感じます。

 特に日本は、一度貧困に陥ってしまうと、そこから抜け出すことは
極めて困難であり、更には子や孫の世代まで、その貧困の輪の中に巻き
込んでしまうことになるということで、正社員として働いている人たち
もいつ“そっち側”に落ちてしまいかねない、細い刃の上を歩いている
ような気分にさせられる空恐ろしい本でした。