だから日本はズレている/古市憲寿

 

だから日本はズレている (新潮新書 566)

だから日本はズレている (新潮新書 566)

 

 

 “若者の代表”と言われる論客、古市さんが大ブレイクを果たし
た本になるのですが、ちょっとこれまで紹介してきた古市さんの本
とは趣を異にします。

 と言うのも、古市さんって鋭い観点をお持ちなのですが、どっち
かというとクールに現象を見ている印象があったのですが、この本
の古市さんは、“攻撃的”です。

 この本のエッセンスは、あとがきでかなり端的に話されているの
で、そちらを参照していただくのがイチバンなのですが(笑)、要
は、“ズレ”と言うのが、この国の“支配層”である「おじさん」
たちが、「若者」たちを慮って、良きにつけ、悪きにつけ、色々と
構おうとしてくるわけですが、それが自分たちの論理で成り立って
いるので、若者側からすると“KY”なものに映るということです。

 最近、“クールジャパン”と称して、日本のサブカルチャーを海
外にアピールしようと、アタマのカタイ「おじさん」がウロチョロ
しているようですが、その滑稽さを、今まで見なかったような辛辣
な舌鋒で語られます。

 何か、古市さんの“若者の代表者”としての“卒業宣言”とも受
け取れるような、そんな本です。