草食投資隊の渋澤さんが、元々、アメリカのファンド在勤時に、
本社への状況報告としてはじめられたものを、ご自身のファンド
を立ち上げられてからは、“シブサワ・レター”として、お客さ
んに向けて書かれたものをまとめた本です。
ということで、エッセイっぽい様態ではありますが、そこかし
こに、渋澤さんのコンセプトがちりばめられています。
この本は、2004～2011年に発行された“シブサワ・レター”を
まとめたものですが、日本が“失われた20年”や“リーマン・シ
ョック”そして“東日本大震災”の影響でもがいている状況の中
で、もっと日本人は何かできるはずだ、ということを提言されて
います。
アメリカでの生活が長い渋澤さんは、日本人は自分の長所をア
ピールすることが下手だとおっしゃいます。
それは、シャイな国民性がなせる業だったり、自分が持ってい
るメリットを自分では評価できていなかったりするかかもしれま
せん。
もはや、バブル経済の勢いに乗って、世界経済を席巻した勢い
はありませんが、淡々と誠実に役割を果たしてきたことは、世界
がみて評価してくれており、だからこそいざという時に、手を差
し伸べてもらえる訳です。
そういう世界市民としての日本人を確立するために投資でもで
きることがある、とおっしゃられているようです。
