エディー・ジョーンズの監督学/大友信彦

 

エディー・ジョーンズの監督学 日本ラグビー再建を託される理由

エディー・ジョーンズの監督学 日本ラグビー再建を託される理由

 

 

 2015年のW杯に向けて順調に強化が進むラグビー日本代表の
ヘッドコーチ・エディー・ジョーンズが就任した直後の出版さ
れた本です。

 母国オーストラリアをW杯準優勝に導いたり、世界有数の名
将だから、ある程度の成果は当たり前とする向きも無くはない
と思うのですが、やっぱりこれまでのキャリアを紹介したこの
本を読んでいると、日本代表でここまでのチームを作り上げた
のは、エディー・ジョーンズならではなんだなあ、と思わされ
ます。

 オーストラリアというと、世界有数の強豪なんで、あんまり
イメージなかったのですが、トライネーションズを戦うニュー
ジーランドや南アフリカと比べると、フィジカルが劣るという
こともあって、正攻法でぶつかると勝ち目がないということで、
どうやったら勝てるか、ということを考え抜く必要があったよ
うで、そういうところが日本代表の強化にも役に立っているよ
うに思えます。

 その“勝つため”に、あらゆる競技から役に立つと思ったこ
とは柔軟にエッセンスを取り入れる姿勢には驚きます。

 世界一になったなでしこジャパンの方法論にも注目していた
ことは、Numberでのなでしこジャパン・佐々木監督との対談で
も話されていましたが、この本では、マンチェスター・ユナイ
テッドのファーガソン監督とも懇意にしているということで、
そういう姿勢が戦略・戦術の引き出しの多さにつながるのでし
ょう…

 長らく待ったW杯の2勝目、そして悲願の決勝トーナメント
進出に向けて、期待しています!