それでも「美談」になる高校サッカーの非常識/加部究

 

それでも「美談」になる高校サッカーの非常識

それでも「美談」になる高校サッカーの非常識

 

 

 サッカーライターの加部さんが高校サッカーの暗部にメスを入れた本
です。

 最近は、ヨーロッパの先端的な教育の方法論も取り入れて随分と状況
は好転してきてはいるようですが、未だに、根性論で、あんまりサッカ
ーの技術向上にはつながらない、いたずらに厳しいだけの練習を課した
挙句、前途有望な選手を潰してしまったり、サッカーが嫌になって辞め
させてしまったりと、選手たちの無念を思うとやりきれない気がします。

 ヨーロッパの指導者が日本の高校の現場で指導に携わることも増えて
いるようですが、日本の指導者の強いるハードなトレーニングに絶句す
るようです。

 というのも、ヨーロッパでは、如何にサッカーを楽しんで取り組むよ
うにするか、ということに心を砕くのに対して、日本の指導者は、試練
に耐えることを志向するようで、それもサッカーのプレイアビリティの
向上につながればいいのですが、多くの場合、選手を潰してしまう方向
に向いてしまうようです。

 この辺が、スポーツを楽しみと考える欧米と、スポーツ=体育=鍛錬
とつなげてしまう思考の差なんだろうな、ということで、このままでは
どんなにトップ層だけがガンバっても、日本のサッカーが世界のトップ
レベルになるのは難しいんじゃないかと思ってしまいますねえ…