人たらしの流儀/佐藤優

 

人たらしの流儀 (PHP文庫)

人たらしの流儀 (PHP文庫)

 

 

 以前から、すごく興味はあったのですが、あまりにも多作
かつ広範囲の著作をお持ちなので、どの本から手を付けてい
いやら、と思っていたのですが、とりあえず本屋で目の前に
あった著書を手に取ってみました。

 “日本のラスプーチン”“地の怪人”など、おどろおどろ
しい印象を持たれることもあるであろう佐藤氏ですが、編集
者からのインタビューといったカタチで構成されるこの本で
の語り口は、品格に満ちた柔らかいものです。

 この人が、やるかやられるかのギリギリの諜報活動をして
いた人とは、にわかに信じられないほどです。

 そういう諜報とかいったギリギリの場面でも使える人脈を
つくるために、“人たらし”である必要があるようですが、
知性を持っていることはモチロン、這いつくばるような、
“現場の泳ぎ方”に精通している必要もあり、一見、そうい
う真逆に見える性質を、矛盾なく兼ね備えていることが必要
なようです。

 そのために、聖俗様々な書物にあたり…女性心理を知る
ために『だめんず・うぉーかー』を奨められているのには、
唸った!…かつ、それを行動で膾炙する…やっぱり、この人
怪人やわ!